夢を持つとAIに食われる?
皆さん、子供の頃の夢は何ですか?
また、現在の夢は何ですか?
子供の頃も今の夢も変わらない人は、
きっとこの先も変わらず追い続けることでしょう。
私の子供の頃の夢は宇宙科学者と、
何となくカッコいいので消防士でした。
実際に消防士になることは全く興味が湧きませんでした。
宇宙科学者に関しては、
子供の頃に宇宙に関する図解なんかを見ていて、
宇宙に広がる無限な世界に未知なる故の興奮を覚え、
将来は、宇宙について解き明かす科学者になれたらいいな。
そう思っていました。
しかし、大人になるにつれ、
得意な算数はライバルが増えて平凡化し、
理系分野で数学に挫折を覚え、
自分の可能性を自ら断つことになりました。
あと、宇宙は孤独と恐怖の世界であると知った途端、
宇宙についての知識欲が弱くなってしまったのです。
それに、解き明かしたところで人類の将来のためにはなるかもしれないが、
自分の人生に大きな影響を与えるわけではないと気づいた時でもあります。
大人になるとは皮肉なものです。
子供の頃の純粋さは、世の中を知れば知るほど失われていくのですね。
大人の事情というやつでしょうか。
お金持ちになりたいとかいい家に住みたいとか、
幸せになりたいとかといった抽象的な夢は、
何となく自己満足で叶えられたような気がしてしまうものです。
反対に、具体的な夢でいうと、
・この職業につきたい。
・会社を興したい。
・世界一周旅行がしたい。
・宇宙旅行がしたい。
・田舎でゆっくりと自給自足の生活がしたい。
他にどんな夢があるでしょうか。
夢というのは、
抽象的である程に近づきながらも叶わず、
子供の頃に描いた夢が具体的であるほど叶いやすい様に思えます。
ビジネス的思考でいうところ、
目標は具体化して逆算すると達成しやすくなることからです。
しかし、長期的な目標である程に、
時代はどんどんと先を行くので叶いづらくなったりもするのです。
その一つにデジタル化です。
以前のブログでも度々デジタル化の話をしてきていますが、
IT技術の進化は必ず起きます。
それに伴ったIoTやDXの流れも加速していきます。
アナログのまま残されるものは、人間にしか出来ない部分です。
つまり、AI技術が決して行き届かないところがあるということです。
それは何かと考えると、
人にしか存在しないと言われている「心」の部分です。
人間の5つの感覚あるいは6つの感覚も含め、
5つの基本感情のことです。
例えば、食事にしても何か趣味にしても、
全く別の感情や感想を持つものです。
全員が美味しい・楽しいと頷くものなど存在しません。
人によって感じ方が違うというのは不思議なものです。
人の性格や人格、
様々な個性はAI技術にとって替われるでしょうか。
どれだけ優秀なAIロボットと会話をしていても、
やはり生身の人間と会話をする方が感じることが多く、
色んな感情を持つことが出来るのではないでしょうか。
どうやら、
人間には2185個もの感情が存在するようです。
参考文献
(人間が抱くすべての感情の数はいくつ?|アイズプラス is-plus|note)
AIはおそらくすべての感情をインプットし、
又、場面ごとの適切な感情をパターン認識し、
あたかも、感情があるように見せかかけることは得意でしょう。
どうしてそういう感情を抱くのか聞くと恐らくこたえられるでしょう。
でも、人間だったら多くは、分からないと答えるはずです。
それがいいのです。
人にしかない部分というのは、こういった答えられない。
分からないという表現も大事な意思表示なのです。
では、どういった部分がAIに取って替えられるのでしょうか。
例えば自動車業界でいえば、
世界各国で自動運転技術が進められています。
日本でもホンダのレジェンドがレベル3の自動運転技術に到達しました。
レベル3はほぼ完全自動運転のレベルです。
企業導入にはもう一つレベルが上がらないと難しいですが、
ドライバーがいらなくなる時代がすぐそこまで来ています。
完全になくなることはないですが、
人が運転するよりも正確で、安全である。
ここに価値を見出す顧客は少なくないはずです。
設備導入という形で人件費を削って営業が出来れば、
会社の利益も上がります。
今、未成年で将来の夢にドライバーを志す人がいた場合、
10年後、あるいは15年後にこの職業は果たして、
目指せる環境になっているでしょうか。
運転技術以外の営業活動をする従業員募集に代わっているかもしれません。
集客担当の飛び込み仕事をしたり、
複数の顧客と遠隔でやりとりするオペレーターの仕事になったり、
客をもてなす人員として同席する移動ホストやキャバクラ化したり。
純粋なドライバーとしては不要な時代になっているかもしれません。
夢を持つことは大事なこととは言いますが、
出来るだけ時代の波に左右されないような抽象的な夢を描き、
世の中のことを知りながら、便利さにあやかりながらも
少しずつ夢を追い続けるというのが理想かもしれません。
こういった答えのない問題に立ち向かっていく人間こそ、
AI技術にはとって替えられない存在なのだと思います。